朝起きて、池のほとりを走っていたら
知らないうちにオランダに突入してました。
国境とか何も無さすぎて不安でしたがついにイタリア、スイス、フランス、ドイツに続いてヨーロッパ5か国目です。
最初に驚いたのが、
これ。ランドアバウトにチャリ専用。
普通の人はあんまり気にかけないかもしれませんが僕らにとっては感動でした。
さすが自転車の国オランダ。
これ、チャリ道です。
歩道でも車道でもなく、別にチャリ道が整備されてます。ドイツもあったんですが滑らかさが違い、オランダなので坂はもちろんありませんが、道自体のクオリティも高く素晴らしかったです。
ただ不安になったのが
ちょっのオランダ田舎過ぎるけど大丈夫なの?ってことでした。
もう北海道を越えるレベルの畑と牧草地。
たしか日本より人口密度高いはずなのに。思うに山が無い分農地は広がり、人が住める場所は日本よりは多いかもしれません。
こんな道が果てしなく続くので、少しマックで休憩です。(それぞれの国でマックには一回以上入ってます。Wi-Fi、電源乞食)
そしたら
もたれ掛かっていたガラスに「コンコンコン」とノックされ
お父さんと子どもが三人。
「この自転車君たちの?旅してるんだね、すごいじゃん!この子たちも興味津々だよ。ところで、いいアイディアあるんだけど、うち泊まってかない??」
と。
これがこのヨーロッパ旅行における最大のハイライトです。
3キロくらい離れた家から家族で自転車でマックに来てたそうで。一緒に移動です。
お父さんの英語は気を使ってくれてかとても丁寧で気持ちよく聞き取れます。
ちっちゃい二人の子はまだあんまり英語はできないんですが、もう言葉なんか要らないくらい遊んでくれるます。
三人男兄弟の長男はとてもしっかりしてて、英語も僕たちよりできるくらい。(たしか中学1年くらい)
遊びながらもいろいろなことを教えてくれました。
これが家の庭。
お父さん曰く「ヨーロッパでは大きな都市には小さな庭、小さい街には大きな庭。僕はこっちの方が好きなんだ。」と。
ブドウや野菜を育ててますし、アヒル、鶏(卵を結構生んでる)などいろいろな動物を飼っていて、こちらのツリーハウスはこの晩の僕らの宿でしたが、手作りでした。
家に着いたら、オランダのお菓子をご馳走してくれ、(このピンクのビーズ状の砂糖は人を迎えるときに使うそう)
ので、僕からは掛川産の緑茶をプレゼント。子供たちは「味がしない!」っていってましたが(笑)お父さんはとても甘くて思ったより美味しいよね?と言ってくれました。
そのあとはみんなで街をお散歩。
一時間くらいゆっくりと話をしながら小さな集落をお散歩しました。
「こうやって子供たちを自然で遊ばせるのが一番なんだ」
と。毎日このお散歩をしてるのか、通りすぎる人全員と挨拶をして「日本から自転車旅の人が来てるよ」っと僕らを紹介してくれ、また、街で困ってることはない?手伝うよ!と、庭仕事を少し手伝ったりしてました。
「森はみんなでお金と時間をかけて作ってるんだ。最高の遊び場でしょ??」
「馬は優しくて美しいからね。ほら!」とどんどんいろんなことを教えてくれました。
また、
街にはオランダならではの風車があり、僕たちが「すごーい!オランダらしい!」っと言ったら、
実はこれ、今は動いてないんだけど、これ、戦争のときに一回壊れてしまったんだ。ドイツとの戦いで。
そのときのことを忘れないように…
そういえば最近北朝鮮がミサイルを…日本は大丈夫?あと自衛隊というのは何なの?僕も原爆のことでヒロシマやナガサキを…
っとただの観光と思ってたのにとても深い話をお互いの文化を説明し合いました。
ただ、最後に「昔は戦争をしてたのに今はこんなにも仲がいい!本当に幸せだよね!」っと握手をしたのがとても印象的でした。
夜はオランダのビールも頂き、まさかの射撃の遊び(笑)
子供たちがワイルドすぎます。
本当に自然の中でわいわいと育ってる子達をみて、それを支えてるお父さんとお母さんがいて、とても素晴らしい家庭にお邪魔させていただきました。
いつまででも話していたかったくらい楽しい夜でした。
こんな心温かい人がいるなんてオランダを好きになりすぎてしまいました。
神谷正紀